「念願のマイホーム、この部屋は私のもの!」
そう思って購入したマンション。しかし、もしあなたが「自分の部屋の内側(専有部分)さえ綺麗なら、資産価値は守られる」と考えているとしたら……それは非常に危険な誤解かもしれません。
実は、マンション購入は単なる「買い物」ではなく、数百人規模で運営する「共同事業への出資」なのです。今回は、管理の質がダイレクトに売却価格を左右するようになった最新事情と、私たちが意識すべき「資産防衛術」について解説します。
1. あなたが買ったのは「空気」だけではない?
マンションの所有権は、法律的に見ると少し特殊です。あなたが持っているのは、以下の3つがセットになった「権利の束」です。
専有部分: 部屋の中の空間(壁の内側)
共用部分: エントランス、エレベーター、廊下、建物の骨組み
敷地利用権: マンションが建っている土地を持つ権利
これらはバラバラに売ることができません。つまり、あなたの部屋の価値は、それを支える「建物全体の健康状態」に完全に依存しているのです。
どれだけ部屋をリフォームしてピカピカにしても、外壁がボロボロで鉄筋が腐食していれば、部屋の価値はゼロに向かいます。「管理への無関心」は、自分の財布を他人に預けっぱなしにしているのと同じことなのです。
2. 「管理の良さ」がお金に換算される時代の到来
かつて「マンションは管理を買え」と言われましたが、今はそれが数値化(見える化)される時代になりました。2022年から始まった制度により、中古市場での価格差が明確に現れています。
★5ランクは価格が11%も高い!
「マンション管理適正評価制度」では、管理状態を5つ星でランク付けします。調査によると、最高ランク(★5)を獲得した物件は、評価のない物件に比べて平均で11%も高く売却されているというデータが出ています。
公的な「お墨付き」がもたらす具体的メリット
国や自治体が認定する「管理計画認定制度」を受けると、単にイメージが良いだけでなく、実利的なメリットも受けられます。
| メリットの種類 | 具体的な内容 |
| 金利が下がる | 【フラット35】などの住宅ローン金利が優遇される |
| 税金が安くなる | 長寿命化工事を行うと、固定資産税が減額される(最大1/2) |
| 売りやすくなる | 「国のお墨付きがある優良物件」として資産価値が証明される |
3. 「隠れた負債」を見抜く2つのチェックポイント
資産価値を下げないために、所有者として最低限チェックすべきポイントが2つあります。
① 「修繕積立金」の集め方を確認
「今の積立金が安いからラッキー」と思っていませんか?
段階増額方式: 最初は安く、後でドカンと上がる仕組み。将来、値上げの合意ができず、修繕費が足りなくなるリスクが大。
均等積立方式(推奨): 将来にわたって定額を集める仕組み。計画が安定しており、公的認定も受けやすくなります。
不自然に安い積立金は、将来のあなたへの**「隠れた負債」**かもしれません。
② 「二つの老い」への対策
建物が古くなる「建物の老い」と、住人が高齢化する「人の老い」。
この2つが重なると、理事会のなり手がいなくなり、管理が崩壊します。これを防ぐには、「5年ごとの長期修繕計画の見直し」や、管理状況を「情報公開」して透明性を高める取り組みが不可欠です。
結び:あなたは「共同事業」のパートナー
マンションの価値は、もはや立地や築年数だけで決まるものではありません。住人一人ひとりが「共同事業のパートナー」であるという意識を持ち、管理組合に関心を持つこと。その**「意識の差」が、10年後、20年後のあなたの資産に数百万円、数千万円の差**を生み出します。
大切な資産を守るため、まずはご自身のマンションの「修繕計画」や「管理ランク」をチェックすることから始めてみませんか?
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「管理組合の運営がよくわからない」「自分のマンションの資産価値が不安だ」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの資産を、法務と実務の両面からバックアップいたします。
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