2025年12月22日月曜日

「私は部屋を買っただけ」という勘違いが、あなたの資産を蝕む理由①

マンションを購入された方とお話ししていると、時々こんな言葉を耳にすることがあります。

「私はこの『部屋』という空間を自分のお金で買ったんだ。廊下や配管、ましてや管理組合の活動なんて興味がないし、放っておいてほしい」

お気持ちは分かります。多額のローンを組んで手に入れた「自分の城」ですから、誰にも邪魔されずに過ごしたいですよね。しかし、マンション管理士として、あえて厳しいことを申し上げます。

「あなたは『空気』だけを買ったのではありません。巨大なコンクリートの塊と、広大な土地を『みんなで持ち合う権利』を買ったのです」

この事実を誤解していると、将来的にあなたの資産価値が守れなくなる恐れがあります。今回は、意外と知られていない「マンション所有の正体」についてお話しします。


1. あなたの部屋を支えているのは「みんなの物」です

前回の記事([分譲マンションの境界線について])でも触れましたが、あなたが単独で所有している「専有部分」は、実は躯体(コンクリート)の内側の皮一枚分とその空間だけです。


  • 柱や梁: 建物を支える骨組みです。これは「共用部分(全員の共有財産)」です。

  • 壁や床: 隣の住戸との境目にあるコンクリート。これも「共用部分」です。


もし、あなたが「自分は関係ない」と言って管理を放棄し、外壁のひび割れや鉄筋の腐食が放置されたらどうなるでしょうか?

あなたの「部屋という空間」を支えている骨組みが朽ちれば、その空間自体の価値もゼロになります。「部屋を守る」ということは、必然的に「建物全体を守る」ということなのです。


2. 土地と建物は「運命共同体」

一戸建てなら、建物が古くなっても土地を売ることができます。しかし、マンションは違います。

法律(区分所有法)では、部屋の所有権と土地の利用権(共有持分)をバラバラにして処分することは原則できません。

あなたが「部屋」を売ろうとしたとき、セットになっている「土地の権利」に問題があれば(例えば、管理状況が悪くて土地の権利関係が整理されていない、地代が滞納されているなど)、買い手はつきません。マンションにおいて、土地と建物は磁石のように強力にくっついた運命共同体なのです。


3. 「無関心」というコスト

「管理組合の活動に興味がない」という態度は、一見すると自由で楽に見えるかもしれません。しかし、経済的に見れば、それは「自分の財布の中身を他人に預けっぱなしにしている」のと同じです。


  • 修繕積立金が適切に運用されているか?

  • 無駄な工事発注が行われていないか?

  • マナー違反によって建物のブランド価値が下がっていないか?


これらをチェックしないことは、自分の資産が目減りしていくのを黙って見ていることになります。


4. まとめ:マンション購入は「共同事業のパートナー」になること

マンションを買うということは、単に「住まい」を手に入れるだけでなく、他の数十人・数百人の区分所有者と一緒に「マンション管理という共同事業」の出資者(パートナー)になるということです。

「部屋を買っただけだから関係ない」という考え方は、会社に投資しておきながら「倒産しても自分には関係ない」と言っているようなものです。

あなたの「大切な城」を守り、価値を維持するためには、躯体や土地という「土台」を全員で守る意識が不可欠です。

次回は、資産価値を維持することの意味について考えていきます。




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「管理組合の運営がよくわからない」「自分のマンションの資産価値が不安だ」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

高田マンション管理士事務所

あなたの資産を、法務と実務の両面からバックアップいたします。

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