マンションの管理規約を変えたり、大規模なバリアフリー工事をしたりする際、これまでは「全オーナーの4分の3以上の賛成」が必要でした。しかし、令和7年の標準管理規約改正により、このルールが「出席者の4分の3(または3分の2)」へと大きく変わります。
なぜルールが変わったのか、何に気をつければ良いのか、ポイントを絞って解説します。
1. 総会を開くための「新しいスタートライン」
決議の前に、まず総会そのものが成立するための条件(定足数)が変わりました。
改正後: 組合員数の「過半数」 かつ 議決権の「過半数」の出席が必要。
ポイント: 従来の「半数以上」から少しだけ厳しくなりました。ただし、「出席」には、議決権行使書(書面)やメール、代理人による参加も含まれますので、実際に会場に来る人数が少なくても成立します。
2. 重要度で変わる「3つの合格ライン」
改正後は、決議する内容の重要度や緊急性によって、必要な賛成票の数が3段階に分かれます。
① 【通常】規約の変更など(出席者の3/4)
管理規約の変更や、共用部分の大きな改修(使い道がガラッと変わるもの)など。
合格ライン: 出席した組合員および議決権の各4分の3以上。
メリット: 「連絡がつかない人」の分を分母から除外できるため、これまで諦めていた規約改正が進めやすくなります。
② 【緩和】安全・バリアフリー(出席者の2/3)
耐震工事やアスベスト除去、エレベーターの設置、スロープ設置など。
合格ライン: 出席した組合員および議決権の各3分の2以上。
メリット: 住民の安全や高齢化対応に直結する工事は、よりスムーズに決定できるよう配慮されました。
③ 【厳格】建替え・敷地売却(総数の4/5)
マンションそのものを取り壊したり売却したりする、最も重い決定です。
合格ライン: 原則として、全組合員および全議決権の各5分の4以上。
注意点: これだけは「出席者ベース」ではなく、従来通り「全オーナー」を基準にした数え方が維持されます(※建物の劣化状況等により4/3に緩和される例外あり)。
3. 一目でわかる!決議要件まとめ表
まとめ:管理組合が今やるべきこと
今回の改正は、所在不明なオーナーや無関心な層が多くても、「参加している人たちだけでマンションの未来を決められる」ようにするための前向きな変更です。
しかし、この新ルールを適用するためには、まず貴マンションの「管理規約」そのものを改正し、新ルールに対応させる必要があります。
「管理組合の運営がよくわからない」「自分のマンションの資産価値が不安だ」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの資産を、法務と実務の両面からバックアップいたします。
0 件のコメント:
コメントを投稿