2025年12月28日日曜日

【国内管理人・第2弾】「特定の会社が議決権を独占?」新制度に潜むリスクと対策を考えよう

 前回は、2026年から始まる「国内管理人制度」の基本についてお伝えしました。 海外オーナーさんとの連絡がスムーズになる便利な制度ですが、実は「使い方を間違えると、マンションの運営が一部の業者に支配されてしまう」という大きなリスクが隠れています。

今回は、理事会やオーナーが知っておくべき「議決権集中の怖さ」とその対策について解説します。

1. 「特定の誰か」に力が集中するリスクとは?

例えば、投資用マンションやリゾートマンションなどで、多くの海外オーナーさんが「同じ不動産会社」を国内管理人に指定したとします。すると、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 「数人の意見」で全てが決まってしまう その不動産会社一社が、何十軒分もの「議決権(総会での投票権)」をまとめて持つことになります。その結果、他の住民の意見が反映されず、その会社一社の判断でマンションの重要事項が決まってしまう「代行支配」の状態になりかねません。

  • 「自分たちに都合のいい工事」を通せてしまう(利益相反) もしその会社が「マンションの修繕工事も請け負いたい会社」だった場合、自社に有利な工事プランを、預かっている大量の議決権を使って無理やり承認させる……といった、公平性に欠ける運営が行われる恐れがあります。

2. マンションを守るための「3つの対策」

こうした「支配」を防ぎ、透明な運営を続けるために、管理組合(理事会)はあらかじめルールを作っておく必要があります。

① 「一人で持てる票の数」に制限をかける

管理規約で、「一人の国内管理人が担当できるのは〇戸まで」、あるいは「全体の〇%まで」といった上限を設けるのが非常に有効です。特定の業者に力が集中するのを物理的に防ぎます。

② 誰が何票持っているか「見える化」する

総会のときに、「A社が〇戸分の代理をしています」という事実を理事会から報告・開示するようにします。みんなでチェックする目があるだけで、不正な動きへの大きな牽制になります。

③ 本人の意思確認をしっかり行う

「本当にオーナー本人がその会社に頼んだのか?」を確認するため、電子署名を使ったり、オーナーごとに発行されるパスワードで投票したりする仕組みを整え、なりすましを防ぎます。

まとめ:たくさんの「鍵」を一人が持たない工夫を

国内管理人は、例えるなら「留守の住人に代わって郵便物を受け取るポスト」のようなものです。

でも、もし一箇所にすべてのポストが集まりすぎて、その管理者が「マンション全体の鍵」を握ってしまったらどうでしょう?その鍵が正しく使われるように、あらかじめ「一人で持てる鍵の数」に制限をかけておくことが、マンションの資産価値を守ることにつながります。

便利な制度だからこそ、最初が肝心です。規約を改正する際には、こうした「防犯ルール」もセットで検討しましょう!

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「管理組合の運営がよくわからない」「自分のマンションの資産価値が不安だ」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

高田マンション管理士事務所

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