2025年11月26日水曜日

ベランダの布団干し、どうする?マンションでのルールと合意形成

マンションでの生活において、ベランダ(バルコニー)は洗濯物を干したり、外の空気に触れたりする貴重なスペースです。しかし、「ベランダの手すりに布団を干したい」という要望は、マンションの使用細則で禁止されていることが多く、しばしばトラブルの元となります。

ここでは、ベランダの布団干しに関する問題点と、もしルールを変更したい場合に管理組合から同意を得るための手順を解説します。

1. なぜ手すりへの布団干しは禁止されているのか?

マンションの使用細則では、「バルコニーの手すり、または窓枠などに寝具、敷物、洗濯物などを干すこと」を禁止行為として定めているケースが多く見られます。

主な禁止理由としては、以下の3点が挙げられます。


  • 落下した時の危険性:万が一布団が落下した場合、非常に危険であるため。

  • マンションの美観維持:建物の外観や景観を損ねるため。

  • ほこりやゴミの落下:下の階の住戸へほこりやゴミが落ちてしまうため。


理事会としては、まずこれらの禁止されている理由を住人に周知徹底し、布団干し専用の器具を使うなどして「バルコニーの中になるべく干すように」呼びかけるべきでしょう。


2. ルールを変更し、布団を干せるようにするには?

住民からの要望が強く、手すりに布団を干せるようにルールを変更したい場合は、使用細則を変更することになります。

使用細則の変更手続き

  • 使用細則の変更は、総会において、組合員および議決権の過半数の賛成があれば可能です。(2026年4月から、出席組合員の議決権の過半数に緩和されます。)

総会に議案を提出する際のポイント

理事会でただ変更の議案を出すのではなく、事前に検討を重ねた「付帯条件」を付けて総会へ提出するのが重要です。

理事会は、万一の落下事故への対策や、美観を損ねないような干し方について検討しておく必要があります。


【付帯条件の例】

  1. 干す時間を限定する:例えば、「午前10時から午後3時まで」など。

  2. 落下防止の止め具を必ずつける:安全を確保するため。

  3. 布団をたたかない:ほこりや音が出ないようにするため。

  • 上記以外にも、各マンションの状況に応じて異なる条件が考えられます。

このように、安全面や衛生面、美観維持への配慮を示す具体的な条件を提示することで、他の区分所有者からの理解と賛同を得やすくなります。


マンションで快適な共同生活を送るためには、ルールとマナーが不可欠です。要望をただ押し通すのではなく、他の住民への影響を考慮した具体的な提案を準備し、総会の場で適切に合意形成を図ることが大切です。


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